二度目の蘇州滞在、十三日目

滞在延期が決まった。
帰国は4/3に変更になり、ビザを申請してきた。

ハルビンに帰っている妻が先に日本に戻ることになる。
日本では今トイレットペーパーなどの日常品が手に入りにくいということだから、一人で暮らしていけるか心配だ。
メールを送ろうとするが、メールサーバーが遮断されていてメールを読めない状況に。
こちらでインターネットにアクセスしていると、ときどき外部のサーバーが遮断されることがある。
連絡を取りたいときに限って、実家の電話番号を忘れてきてしまった。

これを読んでいる暁雨へ連絡。
オレは今蘇州楽園度暇酒店にいる。1341号室。
電話番号は0512-68258258。連絡を待つ。
または日本の携帯にかけてもつながる。

二度目の蘇州滞在、十日目

理想的な環境で実験ができれば、それに越したことはない。
しかしそのような実験を実現するのがいかに難しいことか。
現実は使用装置のコンディションが不安定、そして上下流工程も不安定だ。
こんな状況ではある一つの条件を振ってデータ取りをしても、その効果とノイズを区別しにくい。
しかし現場では大学実験のようにじっくりと環境を整えてきれいなデータをコツコツ取るなんてことはできない。
ノイズまみれのデータの中からいかにして効果を見出すか。ノイズを前提としていかに有効な実験を組むか。
これが現場実験の難しさであり醍醐味でもある。

必要なのは職人技ではない。経験やカンに頼ると失敗する。
熟練した職人はその経験の蓄積によって構築された既成概念に囚われてしまい、
論理的な細い糸の存在を見逃すことがある。
必要なのは90%の形式論理学と10%のインスピレーションといったところだろうか。
まあ、オレの場合は10%のインスピレーションと90%の好奇心だが。

二度目の蘇州滞在、九日目

実験データ取りが続く。
晩飯はラーメン屋へ。店に入ると中国人達でにぎわっていた。
駐在員の話によると前は日本人ばかりだった店だが、最近は地元の人が増えたという。
中国の経済力が増してきたことがここにも表れているのかもしれない。
ラーメンはなかなかうまかった。

関東地方は放射線量上がったり下がったりで大騒ぎの様子。
日本の野菜は海外で売れなくなるだろうな~。これからというときに残念。

宇宙戦艦ヤマトを思い出す。ガミラスからの遊星爆弾で放射能汚染された地球。
放射能を除去するための「コスモクリーナー」を手に入れるために宇宙へ旅立つ話だった。
今こそ本当にコスモクリーナーが必要だ。

二度目の蘇州滞在、八日目

実験が追い込みに入っている。
生産をしながら実験をするので思うように進まない。
今週末3/26に帰国する予定だったが、3/29に変更した。
晩飯にまで気が回らないので、いつものように皆と日本食食べ放題へ。
Yさんが頼んだサーモン28個のうち6個ほどを腹に納める。

ホテルに帰ってNHKをみると、東京の金町水道局の水から乳幼児の基準を超える放射性物質が検出されたという報道。
東京は大変なことになっているようだ。

ちょっとボヤを出した程度でも原子力の影響はこれほどまでに大きいものなのか。
国もメーカーも原子力の安全性について根本的に考えを改めた方が良いね。
日本の原子力政策は50年ほど後退してしまったかもしれないね。
見方を変えれば、これからが本当の原子力の時代。高い安全性で原子力を制したものが者が世界を制する。
学生には原子力を専攻することを薦める。志は高く核融合を目指せ。

二度目の蘇州滞在、七日目

数日振りの晴天となった蘇州。
データ取りのためのサンプル作製の打ち合わせをしたり、現場に行って装置の確認をしたり・・・。
現場に入る前の更衣室の靴が匂う件については、活性炭入りのマスクをすることで自己完結的に解決。
8時の仕事上がりの後はいつものごとく食べ放題の日本食屋へ。
現地駐在員は中国人従業員をいかにモチベーション高く仕事してもらうかということで大いに悩んでいる様子。
工場のトイレにはいろいろな落書きがあったりするわけだが、
落書きする奴は切ればいいという考えと、そういう奴を切り捨てず育てるという考えの2つがある。
日本人は概して後者で行きたがる。
特に日本で連帯感ある良い職場を経験した人がそういう傾向にあるように思う。
オレは中国では前者の方が良い職場になると思うのだが、どうだろうか。

いつの間にか11時過ぎになっていた。会計を済ませて外へ出る。
今回の訪問では初めてDVD屋へ入った。「東京島」と「殺人者」をゲット。
ジョニーデップのTOURISTがすでに出ているではないか、はやっ。

二度目の蘇州滞在、六日目

一週間のスタートと思って会社に行ったら日本はまだ休みだったのだな。
中国から検索すると、しばしばアクセスできないというメッセージが出てくる。
おそらく自動か手動で検閲をしているのだろうが、使いにくいことこの上ない。
蘇州は今日も雨。寒い一日であった。

二度目の蘇州滞在、五日目

雨の中、出勤する。
日曜の事務所はがらんとしている。
現場で装置からデータを吸い出し、不良品を調べる。
データの整理をしているとあっというまに定時。
ホテルのルームサービスを取りながら、データ整理を続ける。
福島原発に戦車投入との報道。
いよいよ大掛かりになってきたなぁ。

二度目の蘇州滞在、四日目

土曜日だが歩留まり改善が急務なので出勤。
今日からホテルの内履きを工場に持ち込んだ。
昨日しこんでおいたサンプルのデータが少しずつ出てきた。
データの整理をしているうちに定時に。
外は雨が降っていた。
今日はまっすぐホテルに帰りルームサービスを頼むことにする。
明日も出勤だ。今回の出張は10日間ぶっ続けで出勤することになる。
休めるときに休んでおこう。

妻の日本脱出も予定通り。先ほど無事に新潟に着いたそうだ。
明日、新潟からハルビン行き直行便に乗り中国入りする。

二度目の蘇州滞在、三日目

前にも書いたかもしれないが、今滞在している蘇州の新区というところには日本食の店が軒を連ねる「商業街」(シャンイエジエ)という通りがある。
この通りにある日本食屋は基本的に食べ放題で100~150元という店だ。
刺身、寿司、天ぷら、焼き鳥、その他もろもろの日本食が食べ放題。そしてアルコールも飲み放題。
出張で来ると駐在員とこういった店に行くことが多い。
しかしまずいんだよな~、料理が。
中華料理屋に行って40元も払えばきちっとしたうまい中華料理が食える。
しかし食べ放題日本食屋に行くと、冷めかかった天ぷらや、水びたしの卵焼き、その他なんやらかんやら。
食べ放題だから頼めばいくらでも出てくるのだが、まずいもんで腹を満たすととても残念な気持ちになる。
「安物買いの銭失い」の一種だよこれは。

チェンマイから出張中のタイ人社員二人を連れて食べ放題日本料理屋のひとつに行った。
いなりずしや茶碗蒸し、サバの塩焼き、サーモン握りなどを頼む。
サーモン握りが異常に好きな駐在員N氏がサーモン握り36貫を注文。
前はなんでこんなにサーモンばかりを、と思っていたが、ようやく分かった。他にうまいもんがないのだ。
どんどん出てくるサーモン握りを腹に収めながらビールを飲む。中国のキリンビールは苦味が強い。
物珍しそうにいなりを見るタイ人女性に「オレの稲荷が食えないのか」と迫るセクハラ上司。
オレは更衣室の異臭問題をなんとかしてくれと駐在員達に懇願するが「不可能」と切り捨てられる。
まあそういった感じで、食いもんは今一つだがそれなりになごやか(?)に盛り上がったのである。

ホテルに帰り着いて靴下を脱ぎ匂いを嗅いでみると、おぉぉ。
更衣室の匂いの一部がしっかりとしみついているではないか。
匂いの元は誰かの内履きではなく、みんなの内履きだったのだ!なぜ内履きがここまで臭くなるのか?!
そういえば何だか内履きはじっとりと湿っていて重い感じなのだ。
これは徹底的に検証する必要がある!

まずい食い物と匂いはストレスのもと。
明日は安くてうまい中華料理を食べに行こうと堅く誓うのであった。